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自己理解ってよく聞きますが、正直めんどくさそうですよね。
「結局、自分次第ってやつか…」とがっかりしてしまいます。
即効性のある方法ではありません。自分の弱い部分や耳の痛い言葉も受け入れないといけません。
以下のような悩みごと、ありませんか?
- 気を遣って一生懸命やってるのに理解されない
- 些細な言葉に落ち込む
- 友だちが減った気がして寂しい
私が悩み疲れてググり狂った結果、たどり着いたのは「自己理解」でした。
たしかに、悩みがあっという間になくなる!という方法ではありません。でも、自分を分析し感情が乱れる理由がわかると、人の言動に振り回されることがぐっと減ります。
小言を言われても、「あらあら、お疲れさまでございます」と心のなかで唱えながら合掌するくらい余裕ができるのです。嫌なやつだと思わないでください……(笑)
私はじっくり1年ほどかけて、感情の波が表に出にくくなりました。身につくまで時間がかかるかもしれません。それでも「自己理解」によって得た考え方や視点は一生ものです。
実際に取り組んだ内容もご紹介します。精神論ではありません。実践あるのみです!
1. 自己理解の意味や考え方
「自分を理解する」とは「自分の中で発生している感情を観察し、思考癖を把握し、コントロールすること」と解釈しています。いかに自分を俯瞰的に見れるかが大切です。
自己理解とは、「他者との関係で、今、自分の内面に生起している感情をありのままに意識し、さらに、自分の性格傾向や考え方について知り、自分に対する理解を深める」(杉浦、2002)ことである。
自己理解に関する文献研究/埼玉純真短期大学研究論文集
臨床心理学講義: 実習を通して学ぶ/杉浦 京子
人といると色んな感情が湧きます。怒り、悲しみ、不安、などの感情になるのは、コンプレックスを刺激されたときや思考癖によるものが多いです。
独学ですが「この感情は自分のどこに触れてしまっているのか?」と自分に意識を向けると、一旦気持ちが落ち着きます。
以下、私が実践している俯瞰的な目線の例です。
- 挨拶もないし雑な接客の店員さん、いらいらする
→店員さんは親切な対応をするべきだと思っている(思考癖) - 「デリカシーのない発言や高圧的な言い方に傷つく」「私はこんなに配慮しているのに」
→自分が基準になっている(当たり前の違い、相手への過度な期待) - 「いま嫌な顔された?嫌われた?」
→想像で不安になっている(過去の記憶、コンプレックス)
ここで注意したいのは、自分を責めないこと。
落ち込んでも意地悪な気持ちになっても、自分の内面に向かって「どこを変えたらいいかな?」と探すだけのイメージです。
マイナスな感情を主に書いていますが、もちろん「うれしい、たのしい、だいすき」にもしっかり向き合ってくださいね。
2. 自己理解のやり方を知る4つのメリット
すぐに効果が感じられないと、取り組む気力も湧きませんよね。しかし、「こういう性格だから……」と諦めていたところも、ものの見方を少し変えることでアップデートできます。
- 転職や婚活に活用できる
- 感情コントロールができる
- 向き・不向きがわかる
- 他者への理解が深まる
2-1. 転職や婚活に活用できる
自分の価値観を知ることで選択しやすくなります。「なにを選ぶか」もですが、「なにを選ばないか」も大切な選択です。
恋愛を例にします。
私は細かな条件が多いタイプでした。
- ちょっとしたプレゼントをくれる
- 綺麗好き
- こまめに連絡ができる
などなど。
ですが、自己理解を深めるうちに、見返りを求めがちな自分に気づきました。私ができるんだから相手にもできて欲しい、と。
「相手に求めず自分ができればいいことだ」という内容がたくさんあり、今は条件として「あえて選ばない」という選択ができるようになりました。
まわりにもどんな条件を考えているかよく聞きます。どれも良い・悪いではなく、それぞれの人の大切な価値観を探すことに繋がります。
自己理解が深まると、思考癖(選ぶ癖)や過去の繰り返しになる理由、求める幸せなど自分なりの基準が見えてきます。
重視するところがわかっていれば、転職や婚活などのライフイベントで決断に迫られたときの悩みは減るでしょう。
2-2. 感情コントロールができる
主に怒りのコントロールができるようになります。
怒りは「二次感情」であり、実は「一次感情」(恐怖、悲しみ、心配、不安、恥ずかしい、疲れた、寂しい、など)が怒りを引き起こす要因です。
例えば、人前で注意されていらいらしたとき。「人前で注意されて恥ずかしいからいらいらするのかな」「失敗したことが不甲斐なくて自分にいらいらしているのかな」と「一次感情」を自覚できると「二次感情」である怒りが抑えやすくなります。
自己理解が進むと一次感情に気づきやすくなります。相手とのコミュニケーションの際に怒りで伝えるのではなく、感じたそのままを伝えるように心がけましょう。
他にも、仕事で進捗連絡がなく「なんで報告ひとつできないんだろう」といらいらするような場面でも「私、心配性だから、一旦◯時までに現時点の報告くれると助かる」と伝え方が工夫できますね。
怒りのコントロールは「アンガーマネジメント」も有名です。
参考:怒りを上手くコントロールしよう/仙台白百合女子大学保健室
2-3. 向き・不向きがわかる
自己理解が深まり向き・不向きがわかるようになると、以下のようなメリットがあります。
- 「得意なことは積極的に取り組む」「苦手なことは思い切って任せる」と決断が早くなる
- 自分の能力を活かせる得意分野がわかる
向いていることは「努力や苦労だと思わず当たり前にやれる」「楽にやっているのに返りが多い」と言われます。例えば、仕事が続かない原因は、やりたくて取り組んでいたとしても不向きなのかもしれません。
自己理解を深めるとミスマッチを防げる可能性が上がるでしょう。
2-4. 他者への理解が深まる
自己理解が深まると、他者を観察する力も身につきます。
怒っている人がいるとき「不安なのかな」「心配ごとがあるのかな」など一次感情を想像できるようになります。
また、自分の感情や思考癖をコントロールできるようになると気持ちにゆとりができます。相手と自分の関係性を俯瞰で見れるようになり、人間関係が円滑になるでしょう。
3. 自己理解をしない3つのデメリット
必要性を感じないのであれば、無理に意識しなくてもいいと思います。
でも、以下のようなことで悩んでいるのであれば、試しに自己理解に取り組んでみてはいかがでしょうか。
- 努力の方向性が定まらない
- 人のせいにする思考から抜け出せない
- まわりの意見に振り回される
3-1. 努力の方向性が定まらない
得意なこと、向いていることなどがわからないままでは、いくら努力しても成果が得られない可能性があります。
私は以前、細かいチェック作業が得意という理由で経理の仕事をしていました。実際に経験してみると、チェックすることはいいのですが期限が守れない人への催促が苦痛だとわかったのです。結局、経理の仕事は続けられませんでした。
苦手を少しでも克服しようとする努力も無駄ではありません。しかし、自分について理解すると、得意を伸ばすほうが楽しかったり、成果が出やすかったり、成功体験を得られやすいでしょう。
3-2. 人のせいにする思考から抜け出せない
不都合なことが起きたとき、人のせいや環境のせいにする癖がある人は自己理解が足りないのかもしれません。周りを責めても状況はよくならない経験は多いのではないでしょうか。
すべてを「自分のせい」と捉える必要はありません。しかし「他人は変えられない、自分が変わるほうが早い」ことをきちんと理解すると、周りへの期待値がコントロールできます。
「あの人は◯◯をしてくれない」など人まかせにすることが減るでしょう。
3-3. まわりの意見に振り回される
自己理解が浅いと、自分にとって「どうゆう生活が幸せか」「なにが満たされれば満足か」などがわからず情報に振り回されます。
例えば、SNSを見て「旅行ばかりしていてうらやましい!」と思ったとき、旅行が羨ましいのではなく、好きなことに時間を使えている姿が羨ましいのかもしれません。
感情が動いたときはなぜそう感じたか掘り下げてみましょう。本当の欲求や努力すべき方向性が見えてくることがあります。
4. 自己理解のおすすめのやり方5パターン
まずは、音声配信やSNSでの発信など手軽に取り入れられるものから始めました。
心理学の切り口から説明されると納得感があったので、ピックアップしている音声配信と書籍は有識者の方です。
4-1. 関連情報を集める
「自己理解」「自己分析」をキーワードにして調べていくと心理学に行き着きました。まずは手軽に学べる音声配信がおすすめです。
直接的な「自己理解」の話ではありませんが、心理学の観点から問題解決のヒントが見つかります。
お気に入りの中からひとまず3つ。他にも勉強になる話がたくさんありますよ。
「きえはる心理学ラジオ」を聞くうちに、尾石晴さん個人の音声配信も聞くようになりました。尾石さんは「きえはる心理学ラジオ」のパーソナリティの1人で、個人でも心理学を絡めた発信をされています。
心理学に関わること以外にも、生活や経済など多方面の思考術が聞けます。考えることがお好きなかたはきっとハマります。
気になってきたかたは、以下もどうぞ。
- #298 結局、ひとは釣り合う人と結婚している
- #1442 原体験を掘り下げると私の仕事に繋がってる話
恋愛本ですが、自己理解にとても役立ちます。会話文の箇所が多いのでさらさら読めます。
まわりに振り回されず自分の意思を強くしていくには、踏み出すしかないと実感できた本です。
読んでいると、過去の恋愛でのやらかしの正体がわかって恥ずかしくなりましたが……それも自己理解のひとつと受け止めました。
日常生活でも使えるコミュニケーション法や自分を俯瞰する意識なども学べます。
4-2. 書き出す
書き出す作業の魅力は、目に見える形にすると俯瞰しやすくなるところです。思いつくかぎり自分自身を洗い出します。
- 苦手なこと・やりたくないこと
- できるけど疲れること
- 得意・好きなこと
- 努力せずにできること
→思いつかないときは、褒めれること、感謝されること、会社で評価されること
最初のころの走り書きで恥ずかしいのですが、私が書いたメモです。書き出すのは1度ではなく、思いつくたびに追加したり書き直したりしてブラッシュアップしていました。
余談ですが、スマホのメモ機能や便利そうなアプリを使ってみても、結局手書きに戻ってきました。
外出中にさっとメモするのはスマホでいいのですが、決まった形式にとらわれず「自由に書ける」というのも、洗い出しのときに重要な要素かもしれません。
他にも「マインドマップ」「自分史」あたりのキーワードで検索すると洗い出しの方法が知れます。
マインドマップで自己理解を深める方法/MindMeister Japan
いろいろなWeb記事やYouTubeでも解説されているので、興味が湧くものから試してみてください。
4-3. まわりの人からの評価や印象を聞く
友人や会社の人など身近なところに自分の印象を聞く方法です。
いきなり聞くのは照れる!という人は「転職を考えていて自己アピールで必要だから」「会社でそうゆう話題になって」など理由をつけて軽く聞いてみましょう。意外とみんな真面目に答えてくれます。
また、自分と他者の二面を専用の図(4つの窓)に当てはめて客観視し、自己理解をする方法に「ジョハリの窓」があります。まわりからの評価や印象を聞いた際に活用してみてください。
ジョハリの窓/立命館大学 スポーツ健康科学部事務室
4-4. 診断ツールを使う
どのように自己理解を進めようか迷うときには、診断ツールを使うといいでしょう。利用者が多いツールであれば、診断結果を分析しているプロもいます。
具体的なツールの例をご紹介します。
自分の強みがわかる診断テストです。診断は「強みのトップ5」もしくは「34個すべての順位」がわかる2種類あり、料金も異なります。
結果をもとにコンサルをしてくれる専門家もいますので、診断後の分析まで気になるかたは「ストレングスファインダー コーチ」とググってみてください。
心理学のビッグファイブ理論に基づく性格診断です。性格を5つに分類しそれぞれの特性の強弱を診断します。質問の数も少なく無料で受けられます。
4-5. コーチングやワークショップを受ける
個人も法人も、コーチングやワークショップの開催が増えています。Peatix(イベント検索アプリ)で見てみると、オンラインイベントがいくつか出てきました。
知り合い以外の第三者目線がほしいときや、専門家の意見が聞きたいときに利用するとよさそうです。
私もインプットしたことの実践も兼ねて、人と話すためにPeatix経由で少人数の交流会に参加しています。趣味のワークショップや展示会に行くときにも使えて、色んなイベントの検索ツールとして便利です。
※アプリ関係者ではなく、ただの利用者としての感想です!
実際コーチングを受けた友人にどう探したかを聞くと「仕事の方向性で悩んでいることをまわりに話していたら紹介してもらえた」とのことでした。ネットで探すのが心配なかたは、知り合いの中に繋がりがないか聞いてみるのもよさそうです。
個人主催ですと、心理学の有資格者(公認心理師や臨床心理士)であればより安心できます。